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いかるぎ薬局日記その他

22.05.17

くすりと食事のいい話②

月に一度、旧古民家診療所でいかるぎ薬局薬剤師による「くすりと食事のいい話」を開催しております。

 

2022年5月16日
「老化(糖化)を防ぐ食事のはなし」シリーズの2回目は、1回目に引き続き炭水化物についてのお話でした。その概要は以下のとおりです。

 

大和芋は炭水化物が豊富な食品ですが、血糖値が上がりやすい米飯にかけて食べると米飯だけを食べた時よりも血糖値が上がりにくくなります。
下図は、米飯だけ食べた時と米飯に大和芋をかけて食べた時の血糖値の推移です。摂取した糖質量はどちらも合計50gですが、大和芋と米飯を一緒に食べた方が血糖上昇が明らかに低くなります。

血糖値を上げにくくする効果は、大和芋の粘り気に大きく依存していると考えられます。粘り気の少ない長芋だと大和芋の倍量くらいかけないと同じような効果が得られません。

 

では、大和芋を加熱したものを白米と一緒に食べると血糖値はどうなるでしょうか。
下図をごらんください。


加熱してネバネバが失われた大和芋には血糖上昇を抑える効果がなくなってしまうことが分かります。
納豆、オクラ、昆布もあのネバネバがとても大切なことがわかりました。

 

果物は、一般的にGI値が低く血糖値が上がりにくいのですが、スイカのGI値は70以上、メロンのGI値は65なので、この2つの果物は食べ過ぎに要注意です。
(でも、おいしいので、つい食べ過ぎてしまいそうです。)

 

なぜ、スイカやメロンは血糖値が上がりやすいのでしょうか?
それは、これらの果物に含まれる有機酸が少ないためだと考えられます。

 

熟れたゴールドキウイフルーツは甘いですが、有機酸が豊富に含まれているため、血糖値は上がりにくくなります。それを確かめたのが下図です。

食パンだけを食べた時に比べて、キウイフルーツをパンと一緒に食べた時には血糖上昇が明らかに抑制されます(皮付でも、果肉のみでも)。
食パンを食べる30分前にキウイフルーツを食べた時も同様の効果が得られます。

ポイント! 水溶性食物繊維、有機酸、ポリフェノールなどが豊富に含まれる炭水化物を摂取するように心がけましょう。

 

文責:いかるぎ薬局・(株)アモール 学術・情報室 金本郁男
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