浅野静子さん

その人の生きた証を、
ノートにしたためて

医療法人社団ナラティブホーム副理事長
浅野静子さん

私も、一人ひとりの物語を知りたくて

40年以上、看護師として生きてきました。佐藤先生と初めて会ったのは、2002年。勤務先の病院に佐藤先生が来られた時のことです。医師も看護師も患者さんがお亡くなりになったら、何か心にひっかかるものがあったとしても、日々の忙しさに流されてしまいます。でも、佐藤先生は違っていて「一人ひとりには物語がある」と、その物語を知るために、温かいお見送りの場面や振り返る場を設けられました。その思いに共感したのが、「ナラティブホーム」の仲間に入れてもらうことになったきっかけです。

ノートを通じて、交流を深める

「ナラティブホーム」では、訪問看護師として多くの方の看取りをさせていただきましたが、ご利用者の数だけ物語があります。その方が生きている姿を残したいと思い、アルバムを一人ひとりに作ることにしました。当初は一人で作成していましたが、徐々にスタッフの皆さんがノートにご利用者の方の様子を描いたり、文章を書いたり、写真を貼り付けたりするようになっていきました。今、そのナラティブノートは、ご本人とご家族にお見せすることで、会話を生み出すものになっています。特に遠方にお住いのご家族には大変喜ばれていますね。

豊富な経験を生かして、「初めて」に挑戦

これからは、「ものがたりの街」の「ものがたり倶楽部ハウス」でコーヒーやカレーなどを提供しますが、看護師以外の仕事はしたことがなかったので、日々勉強ですね。訪問看護は他のスタッフに任せますが、山王町のデイサービスの機能訓練とちゅーりっぷの郷保健室を兼務することで、まちづくりに参加させていただけたらと思っています。これまでの経験があるからこそできるということを、思う存分生かしていきたいですね。ものがたりの街の倶楽部ハウスはスウェーデン発祥の家具量販店で購入した家具などによって北欧風の空間に仕上げていますので、ぜひ一度お越しください。