《私の医療・介護物語》その他
25.03.20
《私の医療・介護物語》 第三話-2
標題:「命」と「いのち」の
バランスが医療の神髄
「命は救ったけど、救えなかったいのちがある。命は救えなかったけど救えたいのちがあ
る」
イノチに漢字の「命」とひらがなの「いのち」があるのではないかと思うようになったの
はそれがきっかけです。
生命体としての、身体としての、生物学的なバイオロジカル(Biological)な漢字の「命」
というものがあり、それを私は医学教育の中で叩き込まれたのだと思います。多分皆さん
も看護や介護などいろいろなところで学んできたものはこの漢字の命だと思います。今読
んでくださっている皆さんは100%肺呼吸をしているわけです。エラ呼吸という方がいれ
ばご一報ください。人間で生物体であればおそらくこうであろうという仕組みがありそれ
を命と呼び、その異常を私たちは治すということをずっと学んできたのです。
一方でひらがなの「いのち」は、ものがたられるイノチと言ってよいと思います バイオグ
ラフィカル(Biographical)な、描く、語る、ナラティブ的ないのちがあるのでしょう。皆
生まれてここまで、いろいろなことがあり、いろいろなものを背負って一生懸命今を生き
ているひらがなのいのちというものがあるのだろうと思います。もちろんそこには個人の
価値観や人生観などが反映されてきます。
この命といのちのバランスをどう取るのか、医学の社会的実践行為である医療の真髄な
のではないかと思います。
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