いかるぎ薬局日記その他
22.08.08
月に一度、旧古民家診療所でいかるぎ薬局薬剤師による「くすりと食事のいい話」を開催しております。
2022年8月8日
今回は、「老化(糖化)を防ぐ食事のはなし」シリーズの4回目で「何をどのタイミングで食べるのが最も効果的(血糖値が上がりにくい)か」というお話をさせていただきました。その概要は以下のとおりです。
24時間連続して血糖値の推移を見ることができる持続血糖モニタリングのデータによると、下図のように一般的に朝食後の血糖が高くなりやすいことが分かります。
よって、血糖値の急上昇を防ぐには朝食に着目することが大切です。
では、朝の血糖値を上げないために朝食を抜いた方がいいのでしょうか?
いいえ、それは間違いです。次の図を見てください。
1日2食しか食べない場合(黄色の線)は、昼食後の血糖値が大きく上昇します。さらに1日1食しか食べない場合(赤色の線)は、血糖値が最も高く上昇してしまいます。つまり、血糖値の乱高下を防ぐには1日3食(青色の線)摂った方が良いのです。
また、朝食で血糖値が上がりにくい食事(低GI食)を摂ると昼食後の血糖値も上がりにくくなります。これをセカンドミール効果と呼んでいます。
では、どのようにして朝食後の血糖値を上げにくくしたら良いのでしょうか。
血糖値を上げにくくする栄養成分(因子)の最適な摂取タイミングをまとめたのが次の表です。
薬の場合、最適な服用タイミングとして「食後」が多いのですが、血糖を上げにくくする栄養成分の最適な摂取タイミングは、糖質の多いご飯やパンを食べる「前もしくは同時」と言うことができます。
実例をご紹介します。糖尿病予備軍の人たちがリンゴをご飯の前と後に食べた時の食後血糖推移を比較したものです。
リンゴ半分(皮ごと擦りおろしたもの)を食前に食べると明らかに血糖値が上がりにくくなりますし、お腹も膨れるので、ご飯の食べ過ぎ防止にもつながります。
「デザートは食後にいただくもの」と決めつけないで、血糖値が高めの人はその考え方を変えてはいかがでしょうか。
ポイント! 1.1日3食食べる。2.朝食で血糖値を上げ過ぎない工夫を。3.ご飯やパンなどの炭水化物(糖質)は、できるだけ後に食べる。
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