いかるぎ薬局日記その他
23.06.14
薬の話アラカルト(第3回)
2023年6月5日(月)
今回は、『薬と食の相互作用』についてのお話です。
1.薬どうしの相互作用、2.食品どうしの相互作用、3.薬と食品の相互作用 の順にお話します。
今回の担当は、いかるぎ薬局 金本薬剤師です。
まずは、「薬どうしの相互作用」です。
私たちが医療機関を受診して処方してもらう医薬品どうしの相互作用の確認は、薬剤師に任せましょう。その際に他の医療機関で処方されている薬との相互作用もきちんと確認してもらうためにお薬手帳を必ず持参してください。もし、ドラッグストアなどで買い求めた薬やサプリメントなどがあったら、そのことも忘れずに薬剤師にお話しください。
薬どうしの相互作用のうち、私たち自身が気をつけなければならないのは、医療用医薬品とOTC医薬品(薬局・薬店・ドラッグストアなどで処方箋なしに購入できる医薬品)との相互作用です。風邪をひいた時の諸症状を緩和する薬、痛み止めの薬、乗り物酔いの薬などは、家庭の常備薬にすることも多いので、医療用医薬品との相互作用に気をつけてください。
次は食品どうしの相互作用についてです。
昔からよく言われている「ウナギと梅干」、「天ぷらとスイカ」の組み合わせはどうして悪いのでしょうか。
まずは、「ウナギと梅干」ですが、実は食べ合わせに問題はありません。
ただし、ウナギを毎日食べたり、食べ過ぎたりしないように気をつけてください。
次に、「天ぷらとスイカ」ですが、この組み合わせでは消化不良を起こしやすいので、気をつけた方が良さそうです。
さて、皆さんに問題です。
下記の食品で相性が悪いのはどれとどれでしょうか?
わかりましたか?
実は、キュウリにはビタミンCを分解するアスコルビナーゼが含まれているため、ビタミンCを含む食品といっしょに摂取しない方が良いのです。上の食品だったらトマトや大根にビタミンCが含まれているので、キュウリといっしょに生で食べない方がよさそうですね。では、どうしたら良いのかというと、アスコルビナーゼが作用しないように調理するときに酢を使ったり、熱を加えたりするのが良いのです。
さて、いよいよ「薬と食品の相互作用」についてです。高血圧治療薬として最も処方頻度が高いカルシウム拮抗薬を服用している人が気をつけてほしいのはグレープフルーツです。グレープフルーツを食べる(あるいはジュースを飲む)ことによって、薬の効果が強く出過ぎる(過度に血圧が下がる)ことがあります。
また、グレープフルーツ以外の柑橘類でも影響を及ぼすので、安全なのは温州ミカンとデコポンだけと覚えておくと良いでしょう。
乳製品との相性が悪い薬の代表としては、骨を強くする薬(ビスホスホネート系)、菌を殺す薬(一部のニューキノロン系、テトラサイクリン系)があります。これらの薬を乳製品といっしょに摂ると薬の効果が弱くなり、期待される効果が得られない可能性があります。
普段よく口にするお茶やコーヒーとの相性が悪い薬としては、カフェインが含まれる総合感冒薬や胃薬(シメチジン)がありますので、コーヒーを1日に3杯以上飲む人などは気をつけてください。
最後に、お酒です。
お酒と薬を一緒に摂ると、薬が代謝されにくくなり重篤な副作用が出やすくなります。
ついつい、という言い訳は何か起こってからでは遅いのです。
ポイント!
1.薬と薬、薬と食品の相互作用は、薬剤師に確認してもらい、注意点を書いてもらいましょう。2.服用中の市販薬、サプリメントがあったら必ず医師や薬剤師に伝えましょう。3.お酒と薬は絶対に一緒に飲んではいけません。
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