くすりの飲み方講座…いかるぎ薬局さんのミニ講座-5-(令和6年)

いかるぎ薬局日記

24.11.11

くすりの飲み方講座…いかるぎ薬局さんのミニ講座-5-(令和6年)

月に一度、旧古民家診療所でいかるぎ薬局薬剤師さんや看護師さんによる「ミニ講座」を開催しております。

今回はいかるぎ薬局薬剤師の渡部さんから、「くすりの飲み方講座」でした。

とても分かりやすい資料と説明でした。ありがとうございます。

普段「このの飲み方で良いのか?」とちょっと気にしながら飲んでいる自分の薬の飲み方。講座の中で気になる部分では、活発な質疑応答がありました。(^^♪

 

以下 渡部さんの資料です。


くすりの飲み方

2024年11月11日(月)

寒暖差が大きい時期になりました。

今日はあらためて、『くすりの飲み方』 についてご紹介します。

今回は、いかるぎ薬局の薬剤師 渡部が担当しました。

 

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本日の話題
“くすりの飲み方”
1. 食べる・飲み込むメカニズム
2. くすりの種類と大きさ
3. くすりの食前・食後

普段、何気なく食事をしていますが “食べる” 、 “飲み込む” ということを、 もう一度考えてみたいと思います。

食べる、飲み込むことを “摂食・嚥下” と言います。

最近では、むせたりしたときに『誤嚥する』という言葉も、耳にするようになってきたのではないでしょうか?

 

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1. 食べる・飲み込むメカニズム

 

食べる・飲み込む  = “摂食・嚥下”
摂食:食物を食べること
嚥下:食塊を口腔から胃へ輸送すること

 

 

秋には美味しい食べ物も増えます。

食事はまず料理を見たときから始まります。

美味しい香りや見た目から摂食は始まります(先行期)。

 

 

美味しい香りや見た目から摂食は始まります(先行期)

 

食べ物を口に入れ、咀嚼し唾液と一緒に食塊をつくる (準備期)、その食塊を舌や頬を使い喉に送る (口腔期)、さらに喉から食道に送り(咽頭期)、
食道から胃に運ばれます(食道期)。

これは、薬の内服においても同じように進みます。

それでも食べ物と違うのは、薬は水と一緒に飲むという点です。

 

食べ物と薬の摂食・嚥下

食べ物
先行期 食べ物の認識 を見て認識
準備期 噛んで飲み込みやすい形に を口に含む
口腔期 舌や頬を使い咽頭に送る 薬をまとめて咽頭に送る
薬を飲むことは個体(薬)と液体(水)を同時に嚥下するため、
食べ物よりも高度な嚥下機能が必要とされる

 

ひと粒ずつでないと飲み込めないという方も、実は珍しいことではありません。
薬が飲み込みにくい、喉に残る…などがあれば、服薬ゼリー等を活用することもひとつです。
さて、そんな飲み薬ですが、現在、医療機関から保険診療で出すことができる医薬品数は約1万3千品目です。
その中でも内服薬と呼ばれる、口から飲む薬は約7千品目あり、そのほとんどが錠剤やカプセルであることが分かります。

 

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2. 内服薬の種類

 

内服薬: 口から飲み込む薬 7339品目

 

内服薬: 口から飲み込む薬 7339品目
厚生労働省:基準収載品リスト及び後発医薬品に関する情報について(今和6年11月1日適用)

 

そんな数多くある錠剤やカプセルの薬ですが、その大きさはどうでしょうか?

くすりの大きさは、“掴みやすさ”と“飲みやすさ”を考えて作られています。

 

 

くすりの大きさ

(1)掴みやすさ → 大きいサイズ
(2)飲みやすさ → 小さいサイズ

くすりの大きさは、“掴みやすさ”と“飲みやすさ”を考えて作られています
厚生省厚生科学研究補助金シルバーサイエンス研究 昭和62年度研究報告,1-4 (1988)
高齢者向け製剤、37.2381-2395(1995) PHARM TECH JAPAN, 22, 235-257/2006)

 

最近では、大きい薬を水なしでも飲むことができるような薬も多く出てきました。
錠剤がのみにくい時は、薬の種類に詳しい薬剤師に、いつでもご相談ください。

 

くすりの種類と大きさ

飲みやすさの工夫
東和医薬品、第一三共エスファ、沢井製薬、日医工

 

最後に、くすりの飲むタイミングについてです。

食前や食後の具体的な時間を聞くことは少ないかもしれません。

具体的な時間をもとに、食前や食後、 食間の飲み方を再度皆さんと確認してみました。

 

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3. くすりの食前・食後

 

くすりを飲む時間

くすりを飲む時間

食前、食後、食間
ご自身の生活時間を見てみると、薬の飲むタイミングは考えやすいのではな
いかと思います。一度、生活の時間を書き出して、目安をみてみましょう。

 

お薬を飲むことは簡単ではありません。

その中でも薬剤師は薬の専門家として、お薬の困ったことを相談できる身近な医療者です。

普段のお薬のちょっとしたことでも、薬剤師に聞いてみませんか?

 

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お薬について

*医師や薬剤師の説明をきちんと受ける
*適切なくすりを、“適切に”使用する
*薬の使用後の変化を伝える

薬剤師は薬物療法に対しての専門家です。

医薬品の上手な使い方や薬に対する不安を身近な薬剤師にぜひ相談してください。

(文責: いかるぎ薬局 渡部)