ヒートショック…いかるぎ薬局さんのミニ講座-6(令和6年)

いかるぎ薬局日記

24.12.09

ヒートショック…いかるぎ薬局さんのミニ講座-6(令和6年)

月に一度、旧古民家診療所でいかるぎ薬局薬剤師さんや看護師さんによる「ミニ講座」を開催しております。

 

12月になり、最近まで暑い日がありましたが、急に冷え込んで来ました。

寒すぎて、布団から出るのも、一苦労になってきました。

 

今回はヒートショック」について、お伝え致します。

最近、ニュースでもよく取り上げているお話です。
誰でもなるリスクがあるものになりますので、一読していただき、参考になればと思います。

 

今回はいかるぎ薬局薬剤師 髙野さんが担当されました。


ヒートショックにご用心!  冬を元気に過ごすために

~寒い季節でも安心して過ごすための知識と習慣~

いかるぎ薬局 高野圭正

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本日の流れ
1. ヒートショックとは
2. ヒートショックが起こるメカニズム
3. なりやすい人
4.症状
5.起きやすい状況
6.対策
7.起きた時の対処法

 

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1. ヒートショックとは

ヒートショックとは

『急激な温度変化により急激に血圧が上下することで、 心筋梗塞や不整脈、脳出血・脳梗塞などの発作を起こすこと』です。
医学専門用語ではありませんが、上記の現象を示す医療用語として遍く使用されています。

 

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2. ヒートショックが起こるメカニズム

 

ヒートショックが起こるメカニズム
自宅内では暖房の効いたリビングから移動した先の廊下やトイレ、お風呂で頻発します。

温かい場所から寒い場所へ移動すると、交感神経が優位となり身体の熱を逃さないようにするため全身の血管を収縮させることで血圧が上昇します。

温かい場所へ移動すると、血管が広がり血圧が下がります。

急激な温度変化によって血圧が上昇と低下を繰り返すことで負担がかかり、ヒートショックが起きてしまいます。
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3. なりやすい人

 

私は大丈夫と思っているあなたです!

  • ・65歳以上である
  • ・高血圧、糖尿病、動脈硬化がある
  • ・肥満、睡眠時無呼吸症候群、不整脈がある
  • ・浴室に暖房設備がない
  • ・一番風呂が好き
  • ・熱い風呂が好き
  • ・飲酒後にお風呂に入ることがある
  • ・30分以上お湯に浸かっている

 

上記に記載している方が、特にヒートショックになりやすい人です。
高齢者の方がなりやすいように見えますが、若年者でも飲酒後お風呂に入ることもあるかもしれませんし、持病をお持ちかもしれません。
そのため、誰にでもリスクは潜んでいます。
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4.症状

  • ・めまい・立ちくらみ
  • ・失神
  • ・心筋梗塞
  • ・不整脈
  • ・脳梗塞

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5. 起こりやすい状況

 
【入浴時】
【冬場の部屋の移動】
トイレに行こうとして廊下に出たり、普段あまり使わない部屋に行ったりなど、冬場に家の中を移動する場合も、ヒートショックのリスクが高まります。
暖かいリビングから寒い場所に移動すると、 急な血圧の変化が生じてヒートショックが起きやすくなるのです。

【サウナの交互浴】
近年、サウナで「ととのう」と呼ばれる快感を得るために、サウナ室と水風呂への入浴を繰り返す交互浴を行う人がいます。
交互浴には、自律神経の働きを高める作用があるといわれています。
しかし、一方で温度差の大きい場所を行き来するため、血圧は急激に変化し、ヒートショックが生じる危険性が高まります。
 

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6.対策

 

ポイント【1】入浴前の湯はり時に、浴室を暖めましょう。
ポイント【2】脱衣室も事前に暖めておきましょう。
ポイント【3】お風呂を沸かす際には、41度以下に設定しましょう。
ポイント【4】入浴前には家族に一言かけましょう。
ポイント【5】入浴前に水分を取ることです。
ポイント【6】いきなり湯舟に入らず、かけ湯をしてから入りましょう。
ポイント【7】入浴時間は、10分以内にしましょう。
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7.ヒートショックが起きた時の対処法

自分で行う対処法

・急に立ち上がらない
・気を失う前に湯を抜く

倒れた人を見つけた時の対処法

1.浴槽の栓を抜き、助けを呼ぶ
2.入浴者を浴槽から救出する。
3.救急車を呼ぶ。肩をたたきながら声を掛け、反応があるかどうか確認する
4.反応がない場合は呼吸を確認する
5.呼吸がない場合、心臓マッサージと人工呼吸を開始する。

ヒートショックは知識と対策で防げます

みなさんの安全を応援しています。

 


参考文献
・「高齢者の事故に関するデータとアドバイス等」消費者庁
・「冬場の住居内の温度管理と健康について」 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター
・「交通事故死の約2倍?! 冬の入浴中の事故に要注意!」 政府広報オンライン
全体参考消費者庁ニュースリリース
「冬季に多発する入浴中の事故に御注意ください!」 平成30年(2018年)11月21日より

 

 


今回、ヒートショックについてお伝え致しました。
ヒートショックのリスクは誰にでもあるもので、知識と対策を事前に知っていれば、必ず防げるわけではありませんが、防げる可能性はあります。

高齢の方や1人暮らしの方は、自分で対応しないといけないことがあると思います。

今回は全部の事柄をお伝えできたわけではありませんが、これが皆様の一助になれば幸いです。
これから、本格的に冷え込んでくるので、ヒートショックもそうですが、転倒や雪かきでの事故もニュースでよく聞くので、注意して生活してください。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。

文責: いかるぎ薬局  高野圭正