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《私の医療・介護物語》その他

25.05.08

《私の医療・介護物語》第六話-2 佐藤伸彦

《私の医療・介護物語》 第六話-2
標題:終末期医療の追求から
     予防を目指す医療へ

医学という学問はまず人体の正常を学び、次にその異常と治療を学ぶことを使命として発展

してきました。その次のステップとして終末期医療という形で治すことではなく人生の最期、

死ぬまでの癒しとしての医療を模索してきた私たちが、今度は病気にならないような社会活動

(これも医療といっても良いと思います)というまた別の道を歩んでいくのも必然なのかも

しれません。そのような集団の健康増進や病気の予防(疾病予防)をする学問に公衆衛生学

や保健医学というものがあります。申し訳ないですが、私が学生だった頃(昭和)にもあまり

医学部の中では目立つ専門領域ではありませんでしたが、ありました。これからの時代には、

その病気にならないための取り組み、集団としての健康という視点が終末期医療とつながって

いく発想が大事ではないかと思います。

その時に大事にすることは、やはり「ものがたり」です。他者のものがたりと影響し合う

ことによって、自他ともが、楽であり楽しい物語であり、苦が少しでも取り除かれていく物語

になることを願うものです。
楽を与え苦を取り除く、仏教用語で言うと「慈悲」と言うことかもしれませんね。

「セルフ・コンパッション」と言う言葉もありますがその意味合いがわからないままに言葉

だけを使うことにならないようにしましょう(これをプラスティック・ワードと言います)。
終末期医療も予防を目指す医療も、自他のものがたりの幸福や楽を願い、その苦しみを取り除

こうとすると言う点では同じだと思います。

月に1度開催する砺波市版認知症カフェ(ほっとなみカフェ)の一コマ